もともと今年の上半期はRubyに費やすつもりで活動してきた。といっても大部分は本を書いていただけだけど。
今後やりたいと思っていることを挙げる。
ドキュメントの充実
RubyはPHPだのPythonだのに比べるとドキュメントが不足してる。PHPは嫌いだけど、あの見るだけでも涎の出てくるマニュアルは素晴らしい。PHPの隆盛もさもありなん。Pythonは、あのstrictさは完全に文化なのでしょう。PerlにしたってCPANモジュールにはPODが必ず付いているし。
それにひきかえRubyは、未だに標準添付ライブラリの完全なリファレンスすら完成していない。メンテナンスも不十分だし。ソースコードに入ってるコメントが間違ってたり、新しいコマンドラインオプションがマニュアルに反映されてなかったりもした(そのままリリースしちゃったんだよ? 信じられる?)。
これは別にRuby開発陣の体質の問題とかそういうのじゃなくて、単純にオープンソースの品質を担保する目玉と手の数が足りてない。だから、私は目玉と手を1組提供する。幸い、コミッタとして「誰も気づいてないだけ」のミスは発見し次第修正できる立場になったし。
本にかまけて「 るりま 」はさぼりがちだったけど、精進しよう。組み込み/標準添付ライブラリの完全なリファレンスマニュアルを目指して。
温故知新
古いライブラリには未だに価値あるものも多い。最近のお行儀の良いRubyにはない野性味を学ぶことができるものもある。でも、gem化されていないので新しいRubyユーザーは存在を知らなかったりする。
ライセンスを調べてgem化して、あるいは「 るびま 」に記事を書いたりして価値あるライブラリを知らしめたい。というか、rdtoolの扱いの軽さが許せない。RD最高。
Project Rottenmeier
私ゃ、やっぱりC++出身者で、そして他人に対して押しつけがましい人間なんだな。本を書いていても「文法制約はないけど、でもこうすることになってる」「こういうものだ」っていう記述が結構目立って、私って口うるさい人だなぁと思ったよ。
Rubyの柔軟性は魅力だけど、でもあとほんの少しだけ硬いRubyが欲しい。例えばそれは、 Sapphire が言ってるStructured warningだったり、lintだったりする。あとはRailsみたいな種類のメタプログラミングをもう少し高速化できるんではと思ったりもする。
ドキュメントへの指向性といい、なんかひょっとしてPythonistaになっていたら幸せだったのかもしれない。ともあれ、Rubyは現状そういう硬さに欠けているからじゃあなんとかしようじゃないかと。
そう言うわけでRubyをほんの少し硬さを加える提案・実装をいろいろしてみる1人プロジェクト(というか個人的な目標)として"Project Rottenmeier"を宣言する。名前は「アルプスの少女 ハイジ」に出てくる堅苦しくて口うるさい人から取った。「Adelheid, Adelheid!」っていうあの人の声が未だに耳に残ってるよ。そして本を書いてる最中にも、作法的なことを書く度にその声が頭の中に響いた。でも、あの人がいるから家政がぐちゃぐちゃにならずに済んでたんだよね。