引っ越し

縁があって引っ越した。

背景

この10年、 性同一性障害という問題から逃げずに向き合う ということを決めてしんどいながらもやってきた。逃避したところでいつかは追いつかれるし、もう今にも追いつかれてすべてが崩壊しそうだと感じていたのが10年前だ。そうして、私は長く深い自己への抑圧をやめた。

方針の転換は生活においても様々な変化を生んだ。私はあちこちを駆けずり回った。為すべきことを為して生きていくために情報を欲した。そして、私が誰かの足跡によって道を見いだしたように、誰かの役に立つことを望んで私が為したことについてweb上に記録を残すようになった。それがこのブログである。

私は道なき道を切り開くものではない。 そう決めた 。私は獣道を踏みしだいてヒトのための道とする一助である。それは前人未踏へ挑む挑戦者よりは楽な道でもあろう。けれども、それでも私に掛かったストレスは大きかった。恐れてはいて可能ならば避けたいと願っていたけれども、結局は抑うつ症状やパニック症状を呈するようになった。

それでも私はなんとかやってきた。ただし、その過程で形成されたものが母への依存である。親族間が軽く依存し合って悪いものでもあるまいが、しかし、私はこの依存の程度を好ましくないと考えた。母の不安感情に感情移入してパニックを起こしたりということが偶に起きる。私はこれを望まない。少なくとも自分の歳に不釣り合いな程度の依存であると考えた。どこかで依存を断ち切る機会が必要であると思われた。

機会

実家暮らしをやめてどこかに住むというのはこういう時に定評のある解決法である。とはいえ、1人きりというのも、抑うつ症状が急に悪化した際などに生命に不安を覚える。ところが最近、たまたま友人が同居人を募集していた。今までと同じ東武東上沿線で土地勘もある程度は効くし、通勤は便利になるし、悪くない話である。

こうして、1週間かそこらの間に友人と二人暮らしすることが決まったのである。こうして私は板橋に引っ越してきた。