『 Rubyクックブック—エキスパートのための応用レシピ集 』、こちらも献本いただいたので感想。"Ruby Cookbook"の抄訳。
元は23章あったのが12章になってる。ちゃんと書いとけと 児玉さんがコメントしてた 。
まぁ、原書には文字列のメソッドの使い方が延々書いてあったり、別にRubyに限らないアルゴリズムのお勉強の話題だったり、RailsによるWebアプリケーションの開発が入ってたりするんだけど。でも、基礎的な部分は中級者は今更読みたくないだろうし、入門書には『 たのしいRuby 』みたいな良書があるからねー。網羅性なら ピッケル本のライブラリ編 もあるし、Railsはもうね、 AWDwR や 舞波本 があるからいいよ。
ただ、chap.11 "XML and HTML", chap.12 "Graphics and Other File Formats"が削られたのは惜しいんだけど。secondlifeさんや瀧内さんが詳しそうな格好いいライブラリが載ってて。chap.22の"Extending Ruby with Other Languages"も面白いんだけど、C拡張ライブラリまではいいとしてもRubyInlineとかマニアック過ぎた。
さて、邦訳の方の話題に戻ると、本の中身は典型的なクックブック形式になってて、目次を見てるだけで結構楽しい。話題は文法を深く突っついて出てきたレシピと、ライブラリ関連のレシピがある。文法周りはブロックとかメタプログラミングとか。ライブラリ周りはかつての256倍本Rubyシリーズの印象に近い。
もしも256シリーズが続いていればこの辺の話題をカバーしてくれたであろうけれども、最早あれは入手が難しいし内容も古くなってるから。例えば、今時の話題としてはgemの使い方/作り方やRakeタスクの書き方、RubyCocoaによるGUI作成の話が入ってるのが嬉しい。
Rubyを日本語の書籍で勉強しようと思ったら、組み込みライブラリが一通り分かったところから、各種gemを軽やかに使いこなしたりライブラリを公開したりするところまで、ちょっとギャップがあると思ってたのだ。従来だとその辺はWebと試行錯誤でカバーしなきゃならなかった。抄訳なのは(特にchap.11, 12は)残念だけどギャップを埋めるこの本が日本語で出てくれたのは良いことだ。

- 作者: Lucas Carlson,Leonard Richardson,株式会社クイープ
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2007/04/27
- メディア: 大型本
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