火事

近所で火事があった。気づいたら火元の家は完全に燃え上がっていて、手が付けられない。燃えている家から裏の林に火が移って、下生えを中心に一面が燃えていた。林を介して付近の家まで類焼しそうで危なかったのだけれども、そちらはどうにか消し止めた。そのころ丁度消防車がやってきて、火元を本格的に消火し始めた。

林のほうを消し止めたのはご近所の力。たまたま祭日で人もいっぱいいたし、みんな出てきて、防火用水からバケツリレーで、燃え始めている草や木を消火した。消防車が通れるように交通整理したりも。

私も、家の水道から散水用のホースを引けないかとやってみたけれども、ちょっと届かず、現場に戻ってみたらバケツリレーしてたので参加した。消防が到着して、そのころには類焼のおそれはほぼなくなってたし、あとはプロに任せたほうがいい様子だったのでそこで退散。3時間ほどで鎮火した。

こういうのを見て、林の消火活動中の自然なチームワークを見ると、やっぱりご近所の顔がある程度分かってる土地はいいよなと思う。火元を見て「あれは誰のところだっけ、確か隣が○○さんだから……」とか言ってる程度だから、みんな互いに良く知ってるという程でもないのだけれど、少なくとも連帯感はあって、なんとなく名前と顔は知ってて。

確かにこういう土地っていうのは、匿名化された都市に比べるとマイノリティには必ずしも優しくはない。幸いにして私はあまり困ってないけど、マイノリティへの蔑視がこの主のご近所ネットワークで増幅されたら大変だろうというのは想像に難くない。GID研究の中でも報告されてる。私自身、ネットワークが私に攻撃的に作用することへの恐怖から完全に自由なわけではない。

そういう問題がありつつも、通勤に不便だったりしながらも、こういう土地のほうが私は好きだ。都会には住めない。