新学期アヴェマリアンって。

新学期アヴェマリアン 、テラワロス

私にとって「マリみて」は、吉屋信子から「丘ミキ」あたりまでの流れを汲む正統派の少女文学たる作品であった。だから、百合ブームの拡大は結構であったけれども「マリみて」がそれに迎合する流れは歓迎できないものであった。だから、原作の後半やコミック・アニメ化には一切目を通していない。

マリみて」の読者層は確実に変わった。2chの「マリみて」スレを一時期読んでいたけれど、最初は共通の文化基盤として10年前のコバルト作品群があった。たぶん、私も含めた20代の元コバルト読者が久しぶりに手に取る気になった、どこか懐かしいコバルト作品という位置づけであったのだろう。

あるところから、「マリみて」スレでコバルト作品の話題が通じなくなってきた。代わりに、ゲームだの何だのの話題が当り前に語られるようになってきた。ここで、私はスレを抜けた。読者層が変わったのである。そして原作自体が、それに合わせて変化したように思える。

私は「マリみて」に幻滅しかけたわけで。そして、初期の作品に対する幻想、元コバルト読者たちと共有した懐かしさ、そういう感情を大切にするために、コミック化やらアニメ化やらは目に入れないようにした。

……なのだけれども、「新学期アヴェマリアン」で完全にふっ切れてしまった気がする。なんか、もう開きなおって百合萌え作品としてメディアミックスの中で消費し尽くすのも一興かもしれない。消費し尽くした燃えカスの中に残るのは、たぶん正統派少女文学としての「マリみて」であろう。

とにかく、「新学期アヴェマリアン」GJ!