rms講演会

rmsことRichard M. Stallmanの講演会を聞いてきた。内容の多くはこれまでに彼が語り続けてきたことの繰り返しであって、例えば「GNUシステムとフリーソフトウェア運動」あたりは今回の講演内容にかなり近い。しかし、聞きに行った価値はあった。

彼の言葉には力がある。私は英語に自信が無かったので同時通訳のレシーバーを借りたのだけれど、彼は平易な言葉でゆっくり、はっきりした発音で話したのでかなり聞き取りやすかった。結局、法律の話になったとき以外はレシーバーのお世話にならずに済んだ。通訳を挟まずに聞く彼の言葉には何か人を動かすものがあり、あの壮大すぎるGNUプロジェクトが色々な問題を抱えながらも斯くもうまく動いてきた理由が分かった気がした。ウィザードは、エディターの上だけでのウィザードではないのだ。

un-freeなソフトウェアやMicrosoftを絶対的に敵視してこき下ろすのも相変わらずで、その辺は個人的には言いすぎだと思っているので適当に聞き流した。

残念ながら質疑応答での質問者のレベルはあまり高くなかった。私自身は気の利いた質問を思いつかずに挙手せずじまいだったから、あまり人様のことを悪く言いたくはないのだけれど、それにしたって「GNU GPLライセンス契約書はどのようなライセンスで提供されているのですか?」だの「フリーなソフトウェアを利用して儲けようとする人が出てくると思いますが、それについてはどう思いますか?」は無いだろう。

そう言う質問にも彼は怒ることなく、その都度、彼の教義を様々な形で説いていた。まぁ、面白かった。それが感想である。