お役所巡り記

ここではあんまり書いてなかったけど、twitterなんかでは告知しているように、現在私はニートだ。一部では 偽装疑惑 も指摘されてるけど、自称はニート。季節柄、仕事の締め切りに四六時中追われていてもニート。書いていてなんだか無理がある気がしてきたけど。ニート、ということにしたい。

何があったかというと、勤務先が倒産した。まず最初にあったのは給与未払いで、その次に事業停止して、そして12月10日付けで全従業員を解雇。

そう言う訳なのであちこち手続きに行ってきた。

年金・健康保険

国民年金の手続きをした。これは地元の役所に行って住民課で。手続き自体は会社印の入った解雇通知書と、身分証明書とで簡単に話が進んだ。

問題は、事業停止日と書類上の解雇日の間に元の保険証で結構受診してるってことだ。健康保険が切れるのが事業停止日なのか解雇日なのか、会社側の弁護士でもはっきりしないらしい。なので、とりあえず事業停止日をもって国民健康保険に加入したという扱いにして、齟齬があればそこは払い戻して対応するということに。

失業給付

それから、地元のハローワークに失業給付の相談に行った。と、問題は離職票を貰ってないということだ。解雇通知だけで離職票は会社から貰ってないよ。これがないとハローワーク側では対応できないので、とりあえず港区(会社が所在していた場所)のハローワークに相談してみるようにすすめられた。

港区のハローワークは品川にある。で相談してみたのだが、その辺の雇用保険の適用に係る話は「雇用保険適用課」だそうだ。で、その課は品川にはなくて六本木だそうだ。六本木に向かう。なんだ、会社の(あった)場所の無茶苦茶近くじゃんか。

ふんふん。こうして六本木の雇用保険適用課に相談してみたのだった。で、ハローワークとしてはどうしてもとなれば職権で離職票を出せなくはないけど、一応正規の手続きとしては会社を代理している弁護士から出してもらうべきらしい。なので、ハローワークから弁護士に離職票を出すように電話をかけてくれた。ところが、弁護士さんはなんか今、ここに書いて良いのかよく分からないとある理由により離職票をすぐには出せないとのこと。

ふーん。離職票って単に事務的に出すだけじゃなくて、倒産して話がこじれてるとなかなか面倒っぽい。一応、現況を示す証拠として雇用契約書、雇用保険被保険者証、解雇通知書などのコピーを取ってハローワークに渡した。あとは給与明細もあった方がよいらしいのだけど、これはうっかり持って行かなかったのであとで送る。何にしても離職票発行まではまだしばらくかかりそうだ。

で、とりあえずは今日の話をまとめた「被保険者でなくなったことの確認請求書」を出して、そのコピーを貰った。コピーを持って地元のハローワークに失業給付の仮受付を頼むと良いらしい。このままだと、給付対象となる期間は離職票が出てそれを持って申請しに行ったときから起算されてしまう。給付の終了は1年後に固定されているので、離職票発行に時間が掛かる場合はその起算は嬉しくない。なので、とりあえず仮受付だけでもすればその日から起算される、らしい。

感想

なんというか面倒くさいね。知人が面倒さに怒っていたのも分からないではない。私がプロセスにおける無駄な手続きを嫌うって知ってる人たちは、ひょっとしたら何故私も怒らないのかといぶかるかもしれない。でも、面倒だけど楽しいのだ。私は未知の組織の中で手続きに翻弄されてはいずり回るのが好きだ。そうすることでそのシステムの力学を体験できるし、システムを把握するにはとても良い教材なのだ。もっとも、そうしてシステムの仕組みを把握するに至ったら一転して「ここが非効率だからこう改善せよ」とかお馴染みのように口を出し始めるのだけどね。

いや、だってね、 昨日の記事 との絡みで言えば、「大きなシステムには相応の構造が必要で、その構造は必然的にシステムを重くする」って私は知ってるんだもの。一見重くてもそれは大きなシステムにとっては最大限に円滑なのであって、そこから更に効率を高めるっていうのはなかなか容易でない。 *1

小さなシステムはそんな鈍重な機構がなくても回るのを体験して知ってる。それと同様に、大きなシステムを部分だけ見て局所最適化しようとするとどういう悲劇が起きるのか、私は自分の失敗体験をもって知ってる。だからね、私は最適化を求める前にシステムの全体像を把握しようとする。ま、さすがに労働法制実務のシステムは、今回割りあてるリソースだけでは把握し切るには至らないだろうけどね。

実際のところ、当面こまこまとした仕事を請けていく可能性もあるわけで失業給付の対象になるかどうか微妙だったりする。が、今回はたまたま縁があってこの辺の仕組みを勉強させてもらっている。気分としてはあれだな、昔、航空会社のシステムをやったときに国際航空運賃の算出法を勉強したのに近い。あれも楽しかった。

この世界には学ぶべき楽しいことがいっぱいだ。どこにいっても見慣れない仕組みで動いているシステムが必ずある。そしてシステムはシステム屋の分析を待っている。私はそういうシステムに触れるのが好きだ。

予告

あー。あと、税務署にも相談に行かないといけないので、行ってきたらまた何か書く。

*1:だからこそ小さな組織には可能性があるのだし、大きな組織にいる間にシステムの最適化について思考する習慣を奪われてしまった人には無能という評価を下すしかないのだけど